teoremaa / asimov is magician

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  • dots tokyo「sign」
  • 2018年10月18日(木)

今年発表された曲に、ドッツトーキョーの「サイン」があります。
ドッツの楽曲に関しては、メロンちゃんっていうキュートなお兄さんが全てのディレクションを取り仕切っています。
彼から依頼を受けて、「トリニティダイブ」以来2曲目の提供となりました。

メロンちゃんからのオーダーは、ガッツンガッツンに踊れるフロア対応のやつということでした。
僕はダンスミュージック全般に疎いので、最初は「多分無理~」的なことを返答したと思います。。
打ち込み屋さんというイメージから、なんとなく「テクノ」な人と思われてることが多いと思うんですが、ここで少し「テクノ」について改めて振り返ってみましょう。

テクノというのは一般的に、大きく二つに分かれます。
ディスコから発展を遂げた、歌の一ジャンルとしてのテクノ。これはものすごくざっくりいうと、テクノはテクノでも「テクノポップ」と呼ばれるものです。主に、80年代の音楽です。

それから、今ではこちらの方が一般的かと思いますが、テクノロジーのイノヴェーションに裏打ちされて主にデトロイトを発祥として出て来た「ダンス」のための機能性を備えたテクノがあり、昨今ではテクノというとこちらの系統を想起することが多いと思います。いわゆる4つ打ちです、クラブで踊るテクノというとこちらの方になるわけです。

で、僕は年代的にはモロに後者のテクノにドンピシャ(特に日本でのテクノブームがまさに青春時代)なのですが、若い頃から一貫した懐古趣味だったので、ず~っとテクノポップだけを追っていました。
新しい方のテクノは今に至るもほとんど全く知りません。ケンイシイと、warpの一部の作品を(あくまでリスニングの観点から)愛聴してたくらいで、実は今回お題にあがったunderworldを正規の音源でちゃんと通して聴いたのも初めてなくらいでした笑。
古いテクノ(ポップ)の愛好者の中には「4つ打ちなんて…」的な保守層が一定数存在し、ご多聞に漏れず、僕もその一人だったというわけです。
テクノの創始者の一人である細野晴臣の、「4つ打ちは営業」なんて皮肉めいた言葉もあったりはします。

それで、メロンちゃんにはその旨を伝え、この曲はおそらく、辣腕編集者の厳しくも正しい導きなくしては、完成し得ないだろうことをまず最初に強調しました。
そこから、メロン&佐々木の、長い長い「sign」への二人三脚が始まったのです。
作っては直し、触っては壊し、途中で病んでは中断し(ほんとすまんかった…)を繰り返すこと数ヶ月。
根気強く、一流の大人な対応&見事な担当編集ぶりを遺憾なく発揮してくれたメロンちゃんのおかげで、なんとか完成まで漕ぎ着けることができたのです。

グループのコンセプトや既発のレパートリーから見てもとりわけ異色なたたずまいに、フォロワーの賛否も分かれるところかと思いますが、たまにセットに入ってたらパーっと身を委ねて頂けると、苦労の甲斐もあったというもので。作者としてはとても嬉しいのです。

  • 佐々木

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